小学部だより
小学部だより 2026年4月号
小学部だより
〜2026年度 はじまりにあたって〜
平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。
(マタイによる福音書5章9節)
2026年度、創立142年目となる新しい一年が始まりました。小学部へ新しく加わる新入生の子どもたち、保護者の皆さま、また新たに加わった教職員の方々も含め、小学部の新たな一年が神さまに祝福されたものとなりますようお祈り致します。
さて、本年度、初めの小学部だよりのメッセージは、マタイによる福音書5章9節「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」という御言葉を選びました。この聖句は、平和を単なる理想として語るのではなく、自らの生き方として具体的に形づくっていくことを私たちに求めています。
今、世界は、ウクライナにおける戦争、パレスチナ・ガザ地区の深刻な状況、イラン情勢の泥沼化など、力による現状変更が現実のものとなり、民主主義や国際社会の秩序そのもが大きく揺らいでいます。こうした現実に直面する今こそ、私たちは教育の場において、平和をどのように捉え、どのように担っていくのかを問い直さなければなりません。
東洋英和女学院小学部における平和学習は、単なる知識理解にとどまるものではなく、「敬神奉仕」の理念に根ざし、神と人とに仕える生き方として平和を実践する力を育む教育として位置づけています。すなわち、歴史を学び、現実を知り、他者の痛みに共感し、その上で自ら行動する意志を育てる。この一連の学びの過程そのものが、本校が目指す平和学習の本質だと考えます。
2026年度は、その取り組みをより一層深化させていきます。韓国の梨花女子大学附属初等学校(Ewha)との交流は英語科のペンパル・プロジェクトとして20年あまり続いており、5年生が2年ごとに往訪をすることで姉妹校としての温かな信頼関係が築かれてきました。今年度からは可能な限り、毎年5年生の希望者が訪韓し、日韓の歴史と向き合い、過去の出来事に真摯に学びながら、和解と信頼の礎を築く視点を養う機会を持ちたいと計画しています。そして、歴史の事実を知るだけでなく、「関係を回復するとはどういうことか」を自らの課題として受け止める機会にしたいと思っています。また、オーストラリアでのホームステイプログラムでは、異文化の中に身を置き、多様な価値観に触れることを通して、違いを恐れるのではなく尊重し合う態度を培います。英語力を伸ばすということも大切ですが、それ以上にこれらはすべて、「平和を実現する人」としての資質を育てるための具体的な学びの場となることでしょう。
平和は決して遠い世界の出来事ではありません。教室の中で、友だちの声に耳を傾けること、自分と異なる意見を受け入れること、小さな不正に対しても誠実であろうとすること。その積み重ねこそが、世界の平和へとつながっていきます。東洋英和女学院小学部の平和学習は、こうした日常の実践と国際的な視野とを結びつけながら、子どもたち一人ひとりの内に「平和をつくる力」を育んでいくことを目指します。
新しい一年が、子どもたちにとって、神さまに導かれながら他者とともに生きる喜びを知り、「平和を実現する人」として歩み出す確かな一歩となりますように。今年度も引き続き、小学部の教育へご理解とご支援をいただきますよう、どうぞよろしくお願い致します。
小学部長 𠮷田太郎
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