小学部だより

小学部だより 2026年9月号

小学部だより

〜「善の力」となって世界を照らす 〜


わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です。 

(フィリピの信徒への手紙4章13節)

 7月10日の授業終了日から約2ヶ月間、長い夏休みが明け、子どもたちの弾けるような笑顔と元気な歓声が学校へ戻ってきました。この夏の期間中は追分での夏期学校、6年生有志によるオーストラリアホームステイプログラムなど、様々な行事もありましたし、それぞれのご家庭で旅行や帰省など、ゆっくりと楽しい時間を過ごされたことと思います。一方では熊本での大地震や関東、北陸地方での豪雨災害など、自然の脅威を目の当たりにする日々でもありました。そして今、ひぐらしの声を聴き、朝夕の心地よい風に秋の気配を感じる9月が始まりました。

 さて、この節目の時期に、私たちが大切に育んでいる「女子だけの学びの環境」について、改めて小学部の保護者の皆様と思いを共有したいと思います。世界的な教育研究においても、女子校という環境が子どもたちの成長に極めて大きなプラスの効果をもたらすことが実証されています。その最大の価値は、性別による固定観念や社会的なジェンダー・バイアスから解き放たれ、一人ひとりが自分本来の可能性を伸び伸びと開花させられる点にあります。共学の環境では、知らず知らずのうちに社会的な役割意識や見えない枠組みが生じてしまうことがあります。しかし、女子校にはそのような「天井」は存在しません。クラスの代表を務めるのも、行事でリーダーシップを発揮するのも、理科の実験で進んで手を挙げ、算数の難問に深く向き合うのも、校庭で砂だらけになってボールを追うのも、すべて女子です。失敗を恐れずに自分の声を上げ、健全なリスクを冒して新しい挑戦に飛び込む勇気は、こうした「ありのままの自分」が尊重される安全な環境(ウェルビーイング)の中でこそ育まれていきます。特に科学技術(STEAM)やスポーツの分野において、女子校の児童は強い帰属意識を持ち、自意識過剰になることなく前向きに取り組む傾向が顕著だとされています。自分の可能性に限界を設けず、「自分で冒険する」楽しさを知った子どもたちは、将来、社会のあらゆる領域で主体的に羽ばたく力を身につけていくことができるでしょう。研究が示すように、女子だけの環境で育った子どもたちは志が高く、自己肯定感に満ち、将来のリーダーとして社会に貢献する志を強く抱くようになります。東洋英和の教育は折れない「しなやかさ」である、といわれることも頷けます。
 私たち小学部が目指すのは、単に学業成績を高めることだけではありません。神さまから与えられたかけがえのない個性(タラント)を豊かに育み、周囲への感謝と愛をもって社会に尽くす人に育てることです。自分の価値を信じ、他者を慈しみ、「善の力」となって世界を照らす存在となること―これこそが、私たちが目指す女子教育の本質です。「天井を作らない」「自分で冒険する」「楽しみを見つける」「善の力になる」。この学びの確信を胸に、9月からも教職員一同、子どもたち一人ひとりの心の声に耳を傾け、深い愛をもって寄り添っていきたいと願っています。全校保護者会にて、この夏の行事の報告に加えて、学習のすすめ方についてもお話しさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

小学部長 𠮷田太郎


夏期学校

池の平湿原

八ッ場ダム

カレー作り

オーストラリアホームステイプログラム