小学部だより
小学部だより 2024年1月号
小学部だより
〜脱皮できない蛇は滅びる〜
「だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。」
(マタイによる福音書10章16節)
『人間の体をつくっている細胞は、常に新陳代謝を繰り返している。胃腸の細胞は約5日、肌は28日、骨はおおむね3〜5年で全ての細胞が新しくなるという。同じ自分のつもりでも、体の細胞のほとんどは数年で新しく入れ替わり、以前とは別の肉体になってしまうらしい。同じ「自分」を維持するために、生命体としての人間は、それほど激しく新陳代謝をしている。新陳代謝がなければ、現状にとどまることすらできず朽ち果てる。蛇が脱皮を繰り返し、古い皮を脱ぎ捨てながら生き続けていくように、人間も、細胞レベルで古い肉体を捨てて、常に新しい肉体を獲得しながら人生を送っているのだ。肉体がそうして「自分」を常に捨てながら新しくなっていく中で、意識としての「自分」は時間を越えて、寿命を迎えるまでの連続性のある「個」であり続けるのである。肉体を丸ごと消費し続けながらも、変わらぬ「自分」、いや、何十年、連続して変化していく、精神としての「自分」。人間とはなんて神秘的な存在なのだろう。風呂場の床のせっけんの泡とともに流れていく古い「自分」を見て思う。』
(徳島新聞「ことば遍路」2015.10.15より)
このエッセイのタイトルにはニーチェの「脱皮できない蛇は滅びる。」とありました。
ドイツの詩人、哲学者。Friedrich Nietzsche(1844〜1900年)フリードリッヒ・ニーチェはルター派の牧師の長男としてプロイセンのザクセン郊外で生まれます。のちに「キリストは死んだ」とヨーロッパ世界の退廃を嘆き、新しい価値の創造を主張した思想家です。
「脱皮できない蛇は滅びる。」蛇は脱皮しないと産卵することができないそうです。硬い殻のままでは卵を排出することができないから。人間も、そして学校も(きっと会社も。知らんけど…)硬い頭のままだと何も生み出すことができません。我々も賢く、柔軟に、成長していきたいものです。
2025年は(再開発計画がこのまま順調に進めば)現校舎を離れ、元麻布校舎へ移転する最後の一年となります。140年という歴史と伝統を継承しつつ、「変わらずに、変わり続ける。」という意識を持ちながら「神さまのために 人のために」というスクールモットーである「敬神奉仕」を大切にした教育活動を続けていきたいと願っています。
少々、Heavyなご挨拶となりましたが、今年も1年どうぞよろしくお願い申し上げます。
小学部長 𠮷田太郎
新任者紹介
白石 真子(しらいし まこ)先生
小学部から高等部まで東洋英和で過ごされた、卒業生(2013年3月卒)です。
小学部時代はバスケットボールクラブに所属。専門は工芸(漆芸)
特技は、トランペットとエレキベースの演奏。趣味はサンバです。11月より2年生の図工科を担当していただいています。
◆好きだった給食メニュー
春雨サラダ、チーズ春巻き、クリスマス給食、ミルメイクなど
給食が大好きで6年間一度も残さず食べました!
◆英和のイメージ
英和には個性を包み込んでくれるあたたかな場所というイメージがあります。生徒は自由でとても元気!でも行動や考え方の根本に、他者への思いやりがみんなある所が英和生の本当に素敵な所だなと、外に出てみて強く感じます。
林クリスティーナ香利先生
(オルガン奏楽者)
10歳から渡米。アメリカのオレゴン州&クラークカレッジのパイプオルガン科を卒業。専門学校講師、聖オルバン教会オルガニストなどをなさっています。11月より礼拝奏楽、オルガン科の講師もしていただいています。
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3年生 ミニ社会科見学(学院本部棟)