小学部だより

小学部だより 2026年夏休み号

小学部だより

〜神さまの知恵に学ぶ夏となりますように〜


主よ、御業はいかにおびただしいことか。あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。地はお造りになったものに満ちている。 (詩編 104 編 24 節)

 7月の月聖句である詩編 104 編 24 節には、「神さまは知恵によって世界を造られた」とあります。この「知恵」とは、ギリシャ語で「ソフィア」、ヘブライ語で「ホクマー」(hokmāh)と呼ばれる言葉です。私たちは「知恵」と聞くと、多くの知識を身につけることや、勉強ができる、点数が取れるということを思い浮かべるかもしれません。しかし、聖書が語るホクマーは、それだけではありません。それは、神様が世界を調和のうちに創造され、それぞれの命に意味と役割を与え、互いに支え合いながら共に生きるように整えられた「創造の知恵」を意味します。詩編 104 編は、空を飛ぶ鳥も、海の魚も、野に咲く花も、人間も、すべてが神様の知恵によって生かされていることを高らかに歌います。そこには、「違う」ことを競い合う世界ではなく、「違うからこそ支え合える」という神さまの願いが映し出されています。東洋英和女学院は 1884 年、カナダ・メソジスト教会から派遣された宣教師によって創立されました。異国の地であった日本において、一人ひとりの命を神さまから託された尊い存在として受け止め、女子教育を通して社会に仕える人を育てようと歩み始めた先達の願いは、142 年を経た今も学院の教育の礎となっています。

 東洋英和が掲げる「敬神奉仕」とは、神さまを敬うことと、人に仕えることが一つであるという教えです。それは、自分だけの成功や幸せを求めるのではなく、神さまから与えられた賜物を周囲の人々や社会のために生かしていく生き方です。まさにホクマーとは、そのような生き方へと私たちを導く知恵なのです。現代社会は、かつてないほど多くの情報と知識にあふれています。生成 AI をはじめとする新しい技術が急速に進歩し、子どもたちが大人になる頃には、今では想像もつかない社会が広がっていることでしょう。しかし、どれほど時代が変わっても、人を思いやる心、真実を見極める力、違いを認め合いながら共に生きる姿勢は、決して変わることのない大切な価値あるものです。世界では今なお戦争や紛争が続き、分断や対立が深まっています。環境問題や貧困など、一国だけでは解決できない課題も山積しています。このような時代だからこそ、東洋英和が大切にしてきた国際教育は、外国語を学ぶことにとどまりません。異なる文化や価値観を尊重し、自分とは違う背景をもつ人々と心を通わせ、共により良い未来を築こうとする姿勢を育むことを目的とします。
 まもなく夏休みを迎えます。今夏も6年生の有志がオーストラリアとの交流の機会を持ちます。子どもたちは言葉の壁を越え、笑顔を交わし、互いの文化を知る喜びを経験することでしょう。そして学校だけでは得ることのできない「ホクマー」を育む大切な時間となるでしょう。長い夏休み期間、ぜひ、ご家庭での時間を豊かなものとしていただきたいと願っています。家族で食卓を囲み、ゆっくり語り合うこと。祖父母や地域の方々との交流を通して人生の知恵に触れること。自然の中で神さまの創造の豊かさに目を向けること。本を読み、美術館や博物館を訪れ、自分の知らない世界に出会うこと。そのような体験は、知識だけでは育たない感性や人格を養ってくれることでしょう。また、これから始まる追分での夏期学校も、小学部ならではの大切な学びの場です。共同生活では、自分のことだけではなく仲間のことを考え、役割を果たし、助け合いながら生活します。思い通りにならない経験もあるかもしれません。しかし、その中でこそ、自分を律し、相手を思いやり、共に生きる知恵が育まれていきます。それは、平和をつくる人への第一歩でもあります。学習についても、夏休みは量をこなすだけの時間ではありません。「なぜだろう」と問いをもち、自ら調べ、考え、発見する喜びを味わってほしいと思います。知識は、知恵へと深められてこそ、人や社会を豊かにする力となります。ぜひご家族で「自由研究」にも取り組んでみてください。9 月には、知恵に満ち、成⻑した子どもたちに再会できることを心から楽しみにしております。

小学部長 𠮷田太郎


小学部の様子をご覧ください

3年生「元麻布校舎見学」

2年生「トウモロコシのかわむき」

図書館クエスト(図書委員)

校庭で育つ季節のめぐみ

モンシロチョウ

朝顔

ベジトラック

キャベツ